E-learning アドバンス編 第1回

依存症に巻き込まれず、回復を助ける方法を知ろう

今回取り上げること

境界線をもてること:

借金の肩代わりなど、無理な要求をしっかり断れること。(自分と相手の境界線をはっきりさせた態度が取れること。)

具体的な言葉

  • 「お金は貸せない。」
    「お小遣いは決めた額しか出せない」
  • 「お金を貸すと依存症がひどくなることを知ったので、貸せない。」
  • 「ギャンブルを繰り返すなら、このまま一緒に生活していけないので、出ていってほしい。」
  • 「ギャンブル依存症は家族も一緒に巻き込む病気だといわれた。私はギャンブル依存症の相談にいっているし、これを続けるつもりです。」
  • 「怒鳴ったり、暴力で脅すなら、話せないし、一緒にやっていけない」

これまでの家族の関わりは、
2つの考えのどちらを助けてきたでしょうか?

依存症の考え方を強める話し方

受け身タイプ(ノンアンサーティブ)

相手の考え方を優先して、自分の考えをはっきり伝えない方法。ギャンブル問題に巻き込まれ、問題の継続や悪化に手を貸してしまう結果になりやすい。話せなかった気持ちをためこむので、家族がうつになったり、逆切れする原因になる。

攻撃タイプ(アグレッシブ)

決めつけ・詰問・禁止の言葉が特徴。相手に自分の考えをおしつけて、言い負かそうとする。相手の自主性や自信を奪い、子ども扱いするために依存症の悪化につながりやすい。

攻撃タイプ「3つのキけんな話し方」

1.キ きつもん(詰問):問い詰めること。

(例)「なんでいうことわかってくれないの?」
「どうしてそんなことになってしまったの?」

2.キ きめつけ(決めつけ)、一方的な命令

(例)「わたしをこまらせようとしているのね」
「とにかく私の言うとおりにして」

3.キ きんし(禁止)、否定、非難。

(例)「そんなことしちゃだめ」
「あなたってどうしようもない人ね」

コミュニケーションスキル
(アサーティブな方法の必要性)

「自律した考え」を助ける話し方

さわやかタイプ(ノンアンサーティブ)

自分の気持ちを「私の考えは・・・」と自分を主語に率直に話す(アイメッセージ)。その一方で「あなたの考えをきかせてほしい。」と相手の気持ちを尊重する態度をもとうとする方法。

一方的にならず、両方の気持ちを十分話せることを大事にする。相手を打ち負かそうとしないで、「引き分け」で良しとして、平行線が続くなら、一旦話を終えて頭を冷やす時間をおいて、また話す余裕を持つ。

良い関係に役立つ「アイコ」の言葉

 あいづち、あいての言葉のくりかえし

 いいところをほめる

あいてのいいところをみつけて、賞賛や感謝の気持ちを伝える
(例)「頑張ってリハビリ続けていてすごいね。」
「知り合いができて、よかったね」

(例)「わたしをこまらせようとしているのね」
「とにかく私の言うとおりにして」

 こころの声を表現する

① 最初は相手のつらい気持ちや願っていることを言葉にする
(例)「ギャンブルのことで公開している気持ちはわかるよ」
「何とか生活をたてなおしたいと思っているんだね」

② 次に自分の心配している気持ちやねがっていることを「私は…」と私を主語にして表現します。
(例)「私は、あなたがギャンブルの問題で苦しむのをみていると、つらい」
「私は、あなたにギャンブル依存症という病気になっている可能性があると思うので、その治療に取り組んでほしい」

ビデオ:あまり有効でないコミュニケーション

ビデオ:役立つコミュニケーション

ワーク:当事者への関りをこれからどうしていきたいか?

取り組みたいこと
 
やめるようにしたいこと(断捨離)